コラム
需要は高いのに数が減っているタイル職人。なるなら今がチャンス!
2022/01/13コラム
建設現場で働く職人に憧れる人は多いものです。しかしその憧れへの道を進むのに二の足を踏んでしまうのは、将来性があるのか分からない部分が大きいからではないでしょうか。
そこで今回のコラムでは、タイル職人の仕事は今後需要が高くなっていくのかどうか、数多くの建設現場を見ている田中タイル工業が解説していきます。
タイル職人の数は15年前に比べて約80%に減少している
まずは現在のタイル職人は全国にどれくらいいるのか確認しましょう。毎年国土交通省が発表する「建設工事統計調査」によると、2019年度の「煉瓦・タイル・ブロック工事業」で就業する人数は18,533人です。これは前年度比-6.0%となっており、就業者の数が減っていることを表しています。このうち従業員の数が14,913人、労務外注労働者数が3,619人となっています。
この3つの項目について、人数の推移を表にしたのが下記です。
就業者数 従業員数 労務外注労働者数
2019年度 18.533人 14,913人 3,619人
2018年度 19,716人 14,667人 5,049人
2015年度 19,089人 12,793人 6,296人
2010年度 23,168人 17,726人 5,441人
2005年度 23,365人 15,300人 8,065人
年度別に見ると単年度で増加しているときもありますが、2005年度と2019年度を比べると就業者数は約5,000人も減っています。2005年度を100にすると、2019年度は約79%となります。
このようにタイル職人の数が減少しているのにはどのような理由があるのか、次の項目で見ていきましょう。
タイル職人の数が減っている理由は育成システムの未整備など5つ
タイル職人の数が減っている理由は、これまでの経験から次の5つを挙げてみました。それぞれに見てみましょう。
①建設業界全体が高齢化している
建設現場で働く職人には「キツそう」「休みがなさそう」「給料が少なそう」というイメージが定着しており、若者のなり手が減少しています。そのため建設業界は全体的に高齢化しており、退職する人に比べて就職する人が少ないためタイル職人の数が減っているのです。
②タイル職人自体の知名度がない
建設現場の職人というと、大工や内装工事、塗装工事などの印象が強く、タイル職人の知名度がそもそもありません。そのため、タイル職人になりたいと直接やってくる人は多くないのです。
弊社で働く職人も、初めからタイル職人になった人は少なく、友達がやっていた、家業がタイル工事会社だった、といった経緯でタイル職人を目指す人が多くを占めています。
③仕事内容によって離脱する人もいる
タイル工事の作業は、新築マンションであればタイルを貼り付ける工程だけですが、補修や張り替え作業がある場合は「はつり」という工程があります。不要なタイルを剥がしていく作業のことですが、体力を使うため高齢になるとリタイヤせざるを得ない職人がいます。こうした業務の体力的な厳しさも、タイル職人が減っている理由の一つになっています。
④若手を育てるシステムが整備されなかった
20年くらい前まではタイル職人が多いことに加えて、下請けや孫請けなどで工事単価が安いという状況下にありました。そのため若手を積極的に育てるシステムを作る余裕のあるタイル工事会社はほとんどなく、現在も若い職人の育成が進んでいないのです。
⑤イメージが良くない
タイル職人の仕事が目に触れる機会は、マンションの大規模修繕工事などで玄関タイルの張り替え作業時などと限られています。こうした作業の際は、一人の職人が黙々とタイルのはつりや張り替えを行っているため、楽しそうに見えないといったイメージがあるようです。仕事が豊富にあって活気があるように見えないため、タイル職人のやりがいが伝わらないのです。
以上、タイル職人の数が減っている原因を解説しましたが、もちろんみなさんのイメージ通りではありません。次以降の項目で弊社の特徴を紹介していきます。
弊社が大規模修繕工事のタイル工事に特化している理由
これまでタイル職人の数が減っている理由について簡単に述べてきましたが、弊社では同じタイル職人といっても大規模修繕工事を専門としているタイル工事会社です。そこで、なぜ大規模修繕工事を専門としているのかについて、ここの項目で解説していきます。
①大規模修繕工事が必要な建築物がたくさんある
タイルは主にマンションやオフィスビル、公共施設などの外壁や玄関などに用いられていますが、これらの建物は修繕の周期が建設業法で決まっています。それは建築物には国が定めた耐用年数があり、不具合が生じた部分を問題なく使用できるまでに修理をする必要があるからです。つまり、建築物であれば必ず修繕工事を行わなければいけないのです。
例えば、最寄り駅から家までの間で、タイルを使っているオフィスビルやマンションをたくさん見ることができるはずです。それらのすべてがやがて修繕工事を行う必要があると考えると、大規模修繕工事は途切れることがないことは容易に想像がつくのではないでしょうか。またそれらの数は、これから建てようとしている新築マンションよりも多いことがすぐに分かるはずです。
②大規模修繕工事は単価が高く、就業時間も限られている
大規模修繕工事は新築マンションに比べて工事の単価が高くなっています。それは新築マンションの場合、大手のゼネコンが施工会社となり、専門的な工事を下請け・孫請けの会社に依頼していく方式だからです。このような方式で中間マージンが発生するため、新築マンションのタイル工事は単価が低くなるのです。
それに比べて大規模修繕工事は下請けのケースもありますが、マンションの管理組合から直接の依頼が入ることもあります。そのため工事単価を高く設定できるのです。もちろん工事単価が高い仕事は、そのまま職人の給与にも反映されます。
また、大規模修繕工事は基本的に居住者の迷惑にならないように工事を行います。つまり夜間や休日などに工事をすることはなく、基本的には午前8時か9時にスタートして、午後5時か6時には撤収することになります。建設現場で働く職人の仕事はきついというイメージがありますが、このように大規模修繕工事であれば基本的な働き方はサラリーマンと同じなのです。
田中タイル工業では働きやすい環境を整備し、若手を積極的に育成
前の項目では大規模修繕工事を専門としているメリットについて触れました。「仕事が少ない」「仕事がきつい」「給料が安い」というイメージは払拭できたのではないでしょうか?
また弊社では「職人としての技術向上を、サラリーマン並みの安定で支えていきたい」という思いがあります。そのため、日給制や日給月給制などが多い職人の給与体系に、月給制を積極的に導入するなど就業環境の整備を他社に先駆けて行っています。そのほか資格手当なども多彩に揃えており、安心して働ける環境を整えています。
また大規模修繕工事には「はつり」という作業があり、体力的に追いつかない職人もいますが、弊社では「はつり」作業は得意な職人が専門的に行います。そのためすべての職人が「はつり」を行うわけではなく、自分のできる作業を長く続けられるような体制になっているのです。
このように弊社では「手に職をつけたい」「職人として安定した仕事をしたい」といった希望に沿う職場環境になっていると自負しています。
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